企業視察会概要
- 日程
2011年 9月27日(火)
9:15 JR名古屋駅太閤通口 集合
9:30 JR名古屋駅太閤通口 出発
坂本光司教授による車上セミナー・昼食
13:30 株式会社サイベックコーポレーション 到着
平林社長の講話
14:30 工場視察
15:30 質疑応答
16:00 株式会社サイベックコーポレーション 出発
19:00 JR名古屋駅 到着・解散
- 参加者
34 名
株式会社サイベックコーポレーション
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所在地:〒399-0704 長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15 |
暖かみのある本社
長野自動車道の塩尻インターチェンジから15分ほど車を走らせると、北アルプスが一望できる豊かな自然に囲まれたアルプス工業団地がある。その団地内にある1社こそが、今回の訪問先、株式会社サイベックコーポレーションの本社である。
まず本社に入り、我々の眼に飛び込んでくるのが、ログハウス風のヒノキづくりのエントランスである。地元のヒノキをふんだんに使用したそのスペースは、ここが工場であることを忘れさせる非常に暖かみのある場所となっている。
そしてエントランスには、我々を迎えるウェルカムボードも用意されていた。
![]() ウェルカムボード |
![]() 参加者の方々 |
社名に込めた思い
同社の社名「SYVEC(サイベック)」には様々な思いが込められている。細かく見ていくと、SとYは「ShinYu」つまり創業時の社名の信友工業を意味している。これは創業時の思いを常に持ち続けるという決意が込められている。
さらにVとEとCは「Value Engineering for Customers」の頭文字であり、お客様のために新たな価値創造にチャレンジし、技術を提供するという当社の基本姿勢が込められたものとなっている。
社員は家族
当社では社員を家族と呼んでいる。HPの採用情報を見ていただくと分かるが、社員紹介ではなく「サイベックの家族」紹介となっている。
当日、社内・工場内を視察させていただいたが、社内にはバーやキッチンがあり、また実際に見ることはできなかったが、施設内には社員のための体育館もあるというから、いかに当社が社員に楽しんで仕事をしてもらえる環境を整えているかが分かる。
もちろんハードの面だけではない。家族というのは包み隠し事のない関係であり、社員には会社の数字をすべて見せている。そして会社の業績が悪いときには、その苦しみを分かち合う関係が出来上がっており、まさしく全員が家族の一員となっているのである。
現社長は2009年に就任し、現在32歳。社員の平均年齢33~34歳と非常に若い。とはいえ、先代時代からの社員も当然在籍している。その社員たちにも「ものづくり未来塾」という社内勉強会の中で、講師をしてもらい、これまで当社が長年かけて蓄積してきた技術や知恵を40歳未満の社員に対して伝承していこうとしている。この勉強会は講師となる社員・参加する社員の双方にとって、大きな効果を生んでいる。ちなみに塾長は先代社長が就任している。
![]() 平林社長のご講話 |
研究開発型企業への転進
当社はもともとメーカーから金型を支給されて、オーディオ部品などをプレスする下請企業であったが、賃加工からの脱却を目指して、自社で金型の開発を行うようにした。その結果、売上は5倍になり、メーカーとの直取引も可能になった。
プレスと金型の一体化させたことで、当社の技術力は飛躍的に高まり、従来の概念を越えた新工法を確立する。それが「CFP工法」である。これまで焼結や切削加工でしかできなかった製品を自社の独自技術でプレス加工することができるようになったのである。それにより、製品精度は安定し、強度も高まり、軽量化にもつながるということで大きな話題を呼んだ。しかもこの新工法によってコストは10分の1にまで抑えられたのである。
同時に、一流工作機メーカーとの生産設備の共同開発がされている点も忘れてはならない。当社の技術を活かせるようにカスタマイズされた機械があることも強みとなっているのである。
当社の研究開発型企業への転進を決定づけたのは、2000年に設立したバリューテクノロジー研究所である。現在、10名の社員が所属し、常に次のコア技術の開発にチャレンジしている。
その研究所の大きな特徴の1つが、お客様とともに開発を進める点である。開発過程で当社から様々な提案を行い、お客様のニーズ・ウォンツを聞きだし、ニーズの先取りを行っている。もちろんそれだけではなく、部品図の検討から最終製品製作までを一貫して行うのである。そのサポート体制に多くのお客様から高い評価を得ている。
なお当社には営業部門が存在していない。研究所内に営業部門を担当している社員がいるが、あくまで提案営業のための社員である。つまり、この場所が当社にとっての営業の場となっているのである。
「もの造り」から「もの創り」へ
当社を取り巻く環境はリーマンショック以降、次世代自動車やスマートグリッドなどの環境技術への加速が進んでいること。円高による為替リスクを回避するため現地調達率が上がっており、国内需要が減少していること。これまで生産国としてとらえられていた中国及び新興国市場が消費国へと変貌するなど、大きく変化してきている。
その中で当社がこだわるのは国内生産である。CFP工法のパイオニアという認知度もあり、当社への依頼はまだまだあるが、今後の生き残り・勝ち残りのために重要になるのが「もの造り」から「もの創り」への転換である。もの造りとは、コスト競争の中で、対グローバルを見据えた金型造りを行うことであるが、このままでは国内のものづくりは衰退する一方である。これからは「もの創り」つまりお客様に喜んでもらえる提案・仕事をすると同時に、働く社員自身が楽しくやりがいを感じる仕事をすることが求められる。
楽しむことでイノベーションがうまれる。「Creation for Smile」これは当社のミッションステートメントである。社員がまず仕事を楽しみ、自社のものづくりで、お客様や地域社会に笑顔を提供する企業づくりに取り組んでいる。その結果、2010年11月には第44回グッドカンパニー大賞「優秀企業賞」を受賞している。
サイベックブランド・サイベックの将来像
当社が目指す5年後の姿は、「大好きな仕事で、全社員が幸せになり、お客様・地域社会に貢献する」ことである。そのために、社内・社外に対して「サイベックブランド」の確立を進めている。
その社外へのPRとして「信・技・対」がある。それぞれ信は信頼。技は技術。そして対は対応を意味し、信技対のトータルサポートができるもの創りで、お客様に喜んでいただくということである。
一方、社内では、仕事から自分の成長を感じられる会社環境づくりである。まずマネジメント層と従業員の間に、信用・尊敬・公正といった家族愛がある。従業員同士に連帯感がある。従業員が仕事・商品・サービスに対して誇りを持っている。といった点を整備することである。
当社が今後もますます信技対に磨きをかけ、成長発展を続けていくことは間違いないだろう。
![]() 西浦代表パートナー |
(文責 調査研究事業室 2011年10月14日)




