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優良企業研究・視察会:弊社主催の各種研究会、視察会の実施報告です。

2009年9月29日に株式会社埼玉種畜牧場(サイボクハム)の企業視察会を行いました。

企業視察会概要


株式会社埼玉種畜牧場(サイボクハム)

株式会社埼玉種畜牧場(サイボクハム)

本社所在地:〒350-1221 埼玉県日高市下大谷沢546
TEL:042(989)2221 FAX:042(989)7933
社員数:580 名
資本金:92,000千円
売上高:67億円(2009年9月)


「人に良い」と書いて「食」

埼玉県日高市に、年間400万人が訪れる「本物の食と健康」のテーマパークがある。株式会社埼玉種畜牧場、通称サイボクハムだ。今回訪問した本社には、ハム・ソーセージ工場、レストランサイボク、温泉施設「まきばの湯」、地元農産物直売所「楽農ひろば」、パークゴルフ場などが併設され、敷地面積3万坪の土地は“農業ディズニーランド”ともいうべき景観を呈している。

直営の3牧場から供給される豚肉は、DLG(ドイツ農業協会)をはじめ欧州の国際コンテストで金メダルを獲得した良質のもの。獲得メダル数は2009年8月現在で、金606個、銀233個、銅94個、合計933個というから尋常ではない。その味の素晴らしさは、今回視察に参加した全員が認めるもの。シルバーウィーク後の平日(しかも小雨)にも関わらず、駐車場から溢れんばかりの車の数もうなずけるというものだ。


サイボクハムミートショップ
サイボクハムミートショップ
バス車中で挨拶する西浦代表
バス車中で挨拶する西浦代表

楽農◎、酪農△、落農×、農業は「脳業」である

サイボクハムの社是は、
 1.豊かな「楽農文化」の創造
 2.美味しい「食文化」の創造
 3.楽しい「生活文化」の創造
サイボクハムでは、農業は「脳業」だと考えている。農業は知的生産の先進産業として、新しい「アグリビジネス」というドラマを演ずる生活産業であると考える。

そして経営スローガンは、
 1.緑の牧場から食卓まで、農村は民族の苗代
 2.農業の完全一貫経営・・・有機肥料・無農薬
 3.農本立国、農は国の元なり
である。

「人類に胃袋のある限り農業生産は不滅」と豪語される創業者の笹﨑会長は、今年93歳とは思えぬエネルギーで、「実践哲学による産業経営」について語ってくださった。以下、印象に残った会長のお話をご紹介する。


笹崎会長の講話
笹崎会長の講話

人生究極のゆとりは「美・感・創・遊」

「美」とは、衣食住の生活環境を総合して美しいもの、特に食においては美味しさである。「感」はしびれるもの、感動。「創」は新しいもう一人の自分を発見すること。「遊」はゆとり。これらのニーズを先取りした事業展開が「ミートピア事業」(~緑の牧場から食卓まで~)となり、「アグリトピア事業」(~フードピア・フルーツピア・フラワーピア~)として花ひらいたのである。そして更に、「本物の食と健康」をテーマに、ライフピアの創作を行っている。


「地産地消」よりも「地産地食」

農産物は人が消費して「消す」のではなく、「人に良いもの」として体内に取り入れ、エネルギーに変わる。東洋では、古くから「身土不二・医食同源」という言葉があるが、これが「地産地食」である。「人に良い」農産物は、誰が生産したのか、「顔の見える食品」でなければならない。


「観・視・見」

「見」とは、肉眼で見ること、見学とは眼で学ぶこと。「視」とは、心でみること。つまり心眼を開いて客観的にみること。「観」とは、心でみてその奥の、みえないものまでみること。20年先が見えない者には経営者は務まらない。


自分の使命を自覚せよ

自分には何ができるのか、自分でなくてはならないものは何か。自分で考えることが重要であり、一隅を照らす灯であれ(一隅照光)。自分の使命観を堅持し、精進することに生き甲斐を持てば、毎日の仕事は道楽で、勉強は趣味になる。


金メダル1,000個も視野

フィリピンの激戦地から、九死に一生を得て生還した現会長は、荒廃した国土を目の当たりにし、「食こそ人間の根本である」と考え、動物タンパクの増産に“第二の人生”を賭けられた。その弛まぬ努力は、牧場経営の成功だけでなく、30冊にも及ぶ著作としても結実している。中でも『養豚大成』は200万部を超えるベストセラーになっている。また、長年に亘る社会貢献を評価され、埼玉県より「渋沢栄一賞」を贈られている。その会長の視界には、既に金メダル1,000個がみえているようだ。


ゴールデンポークを味わう参加者
ゴールデンポークを味わう参加者
坂本教授より御礼
坂本教授より御礼

今回お話しいただいた内容は、経営のみに留まらず、食料自給率や環境問題、人としての生き方にまで及んでいた。「農業が最も外貨を稼ぐ産業になったとき、はじめて我が国は世界から尊敬される国になる。」というのが坂本教授の持論であるが、まさにそのプロトタイプ・パイロットケースとも言える企業であり、「縁尋機妙」毎度、素晴らしい企業にお連れ下さる先生に感謝することしきりである。


(文責 静岡事務所長 鈴木茂和 2009年10月8日)