企業見学会概要
- 日程
2009年7月2日(木)
8:40 JR静岡駅南口東海軒会館前集合・出発後 坂本光司教授による車上セミナー
10:00 サンエムパッケージ株式会社 到着
三宅会長の講話
工場内見学
三宅社長の講話
12:30 東名高速道路SA「富士川楽座」にて昼食
14:00 株式会社三協 到着
工場内見学
石川社長講話
副社長石川氏講話
16:00 出発
17:30 JR静岡駅到着・解散
- 参加者
30名
サンエムパッケージ株式会社
|
本社所在地:〒428-0009 静岡県島田市大代1086-1 |
![]() |
マスクを作る環境ではどこにも引けをとらない
ドラッグストアの店頭から、マスクが姿を消したのはつい先頃のこと。新型インフルエンザの国内感染情報に、消費者が過剰反応した結果であるが、そのマスクを最新の全自動一貫生産ラインで製造し、国内外で圧倒的なシェアを誇るのが、今回の訪問先であるサンエムパッケージ株式会社だ。
サージカル・マスクでは、国内80%、ヨーロッパとオセアニアでは30%、北米では10%のシェアを占める。「挑戦と開拓」という経営理念を実践し続けてきた結果だ。創業以来、順風満帆でここまで来たわけではない。工場の水没や火災など、幾多の危機を乗り越えて今日がある。そうであるからこそ、「マスクを作る環境ではどこにも引けをとらない」という会長の言葉には、絶対の自信が込められていた。
![]() 三宅馨社長 講話 |
提案できる開発技術力
最初に手がけたマスクは、紙製であり手作業で製造していた。中東からの大口受注獲得が、機械化の必要性を気づかせる契機となった。以来、世界初の超音波溶着加工、独自の縫製機開発など常に最先端の加工技術を開発してきた。
その品質の高さは、94年のISO9001規格、2000年には米国NIOSH(米国労働安全衛生研究所)から日本初のN95認定を受けていることからも伺える。
サンエムの由来は、「作って(making)、売って(marketing)、若干の利潤をいただく(margin)」の3つのMから成るが、一番注力したのが最初のMakingだ。販売は大手に任せて、ものづくりに徹した。その結果、現在では1,000種類ものマスクをOEM生産する。同社はこれを「パートナー生産」と呼び、そのお客様だけの仕様にこだわる。
着想のベースは「眼」
もともと不織布に着目した「眼」、メルトブローンを紹介した新聞記事を発見した「眼」、「使い捨て」や「耳掛けタイプ」のマスクを開発した「眼」。卓抜した着想は、鋭く、強い「眼」から生み出されてきた。今その眼は、年商50億の先を見ている。今後の発展が非常に楽しみな企業である。
株式会社三協
|
本社所在地:〒417-0061 静岡県富士市伝法573-13 |
![]() |
「品質至上」の基本理念で安全・安心なカプセル
富士市に本社を置く株式会社三協は、国内に4工場を抱えるソフトカプセル自動機の開発・製造会社で、世界各国へ200余りの機械を納入する実績を持つ。また機械製造だけでなく、自らその機械を使って、健康食品や化粧品等の企画・開発・受託製造も行っている。
今回訪問した日の出工場は、ソフトカプセルを1,000万、ハードカプセルを800万、錠剤を900万、日産する能力を持ち、2006年には、日健栄協GMP認定を取得した。
三協のカプセルは、食べることができる(グミカプセル)、様々な形状に加工でき、レーザーで表面に印字できるなどユニークな特徴をもつ。
![]() 工場内見学風景 |
![]() 副社長石川氏の講話 |
社長の経営哲学
社長は、「悔しい」という気持ちを経営のはじめに持つことと信頼できるパートナーの存在の重要性、様々な情報を収集することの必要性、決断の重要性、夢を持つことの大切さに、ついて語る。また創業間もない頃の金融機関とのエピソードなど大変興味深い話をしていただいた。
現在は、やりたいことが自由にできるようになったと話される社長は、毎年ホタル祭りをおこない、その売り上げを市や被災した四川省などへ寄付をする。
「従業員と家族が幸せになる」ことを願う社長の関心事は、農業や食料自給率、水、不妊治療対策まで幅広い分野に及ぶ。
オリジナルカプセルとミッション
大正製薬を経て当社に入社された副社長は、「三協を存続させ、社員を幸せにする」ことが自分のミッションだと言う。「機械は一流だが、カプセルは三流」と言われるのが悔しかったと、大正製薬のマネではないオリジナルな機能を付加し続けてきた。植物性のカプセルやグミタイプのもの、吸収性を高めたもの、胃腸のどこで溶けるかをコントロールできるものなど、様々な工夫を重ねてきた。ものづくりにこだわりながら、今後は医薬部外品なども視野に入れ、「健康で長生き」に貢献したいと語ってくれた。
![]() 各種製品の説明を受ける参加者 |
必要とされる企業
今回の視察先は、2社とも医療・健康関連業種であり、「景気と流行の生贄にならない会社(坂本教授談)」の代表選手である。興味深いのは、両社共に、研究開発と生産に特化し、OEM生産という形に徹している点だ。社名は表に出ないが、両社のオリジナル製品群であることはまぎれもない事実だ。
黒子に徹することで、マーケットという舞台で主役を演じる企業のなくてはならない存在になっている。「販売」という機能を全て人任せにしているように見えて、実は市場調査も怠らないし、顧客ニーズを正確に把握し、企画段階から関与する。製品を作るだけでなく、製品を作る設備まで自社で内製する。ここに強さの秘密がある。親企業の呪縛から抜け出せない下請企業にとって、多くの示唆を与えてくれる企業と言えよう。
(文責 静岡事務所長 鈴木茂和 2009年7月23日)






