上手な事業承継7つのポイント

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上手な事業承継7つのポイント

1.事業承継を成功させるために
2.事業承継プランを立てるには
3.事業承継プランを立てる
4.事業承継プラン策定の具体例
5.親族内事業承継のポイント
6.自社株承継のポイント
7.親族外事業承継のポイント(MBO・M&A)

事業承継を成功させるために

事業承継対策の重要性

事業承継の目的は、必ずしも子どもに事業を継がせることとは限りません。最も重要なことは、社長が必至に築きあげた事業を優秀な後継者にバトンタッチして、その結果、その事業及びその会社を取り巻くさまざまな関係者に良い結果をもたらすことにあります。社長が事業承継についてあまり考えず、成り行きに任せて事業経営を行っていけば、いずれ社員や取引先が不安を持つことになってしまうでしょう。事業承継の本来の目的をしっかりと理解して早めに事業承継対策に取り組むことが何より大切なことです。

1)事業の成長

事業承継対策で最も重要なことは、後継者に事業を譲り渡した後に、その事業がさらに成長していくことにあります。とりあえず、事業は承継したけれど、結果的には衰退の方向へ向かってしまったということになれば元も子もありません。社長が精魂込めて築きあげた事業を最も相応しい後継者に引継ぐと同時に、その後継者がさらに成長させていくための基盤を一緒になってつくっていくことが大切です。

2)従業員や取引先の安心

社長が年齢を重ね、事業承継の時期を迎えているにもかかわらず、何も考えていない、あるいは具体的な一歩をなかなか踏み出していないとしたら、従業員や取引先はそれをどのように感じるのでしょうか。この会社はいったいどうなるのだろうと漠然とした不安を持つのではないでしょうか。社長や後継者から明確な事業承継のメッセージが示されることで安心して働けるはずです。もちろん、取引先についても同様のことが言えるでしょう。事業承継対策の大きな目的の一つには、事業関係者に安心を与えるということもあるわけです。

3)お家騒動を防ぐ

事業承継の場面では、後継者や従業員、取引先だけが関係するわけではありません。自社株やそれ以外の財産を巡って、今まで事業にノータッチであった親族が相続を境に口を出してくることもあります。社長はこうした「お家騒動」から、事業と事業に関係する人たちを守る手立てを講じておかなければなりません。

ひとたびお家騒動が起これば、精神的にも時間的にも大きな負担となりますし、その影響が本業を悪い方向に向かわせることにもなりかねません。また、親族間で深刻な対立を引き起こすことや、従業員等のモチベーションに重大な影響を及ぼすことも考えられます。お家騒動を防ぐためには、社長が率先して、早めの事業承継対策を進めていただく以外にないのです。

図表 事業承継対策の重要性

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事業承継対策に取り組まないとどうなるのか

立派に業績を伸ばしてきた社長も自分のことは後回しになるのか、事業承継の対策を打てていないケースが少なくありません。もちろん、事業承継対策の重要性は十分に認識しているはずですが、社業優先でなかなか重い腰があがらないのが実情ではないでしょうか。

事業承継対策をしないからといって必ずトラブルが発生するわけではありません。無事に事業承継が済んだという社長の方が多いのかもしれません。しかし、事業承継対策に取り組んでいなかったばかりに、その後さまざまなトラブルが発生するケースがあることも事実です。ここでは、事業承継対策に取り組まなかった結果、どんな問題が起こるのかを確認しておきたいと思います。

1)長男を後継社長にしたものの、なかなか経営権の委譲が進まないA社

創業者の会長(78歳)は8年前に長男(49歳)に社長のイスを譲っているが、会長は今でも自社株の過半数を持っており、経営に関する重要問題も最後は会長が決めている。
社長は自社株の持株比率が10%にも満たない程度で、会長が経営権を手放さないことを不満に思っているが面と向かっては言えていない。

社長はとうとう思い切って、経営の一線から引くことと、自社株の承継を早急に進めることを、会長に求めた。ところが、逆に会長の怒りを買い、経営方針の対立を理由に、会社売却をほのめかすようになってしまった。

ポイント

後継社長の方から、経営権や自社株の承継を求めることは困難です。このケースのように会長との間がギクシャクしてトラブルに発展することもあります。やはり、事業承継については会長の方から積極的に進めるべきです。

2)長男、続いて次男と後継社長にしたものの、経営能力の乏しさから会社の存続そのものが危ういB社

社長(現在78歳)は、10年前に長男(現在52歳)、7年前に次男(現在50歳)に社長をやらせてみたが、どちらも経営能力の不足と人望の無さが原因で失敗した。やむなく、一度は退いた社長のイスに4年前復帰して社業の建て直しをはかってきたが、その後の親子の対立から、昔、自分が贈与した株式の買い取りを迫られるなど心身ともに疲労困憊である。

会長は健康に大きな問題は無いが、高齢を迎え、社業を先頭に立って引っ張る力はもうなくなっている。これといった後継者候補もなく、会社売却も検討し始めたが、ここ数年で会社の力も衰えたため、なかなか買い手も現れず、会社の存続すら危うくなっている。

ポイント

これはまさに親族内事業承継の失敗例です。早い段階で長男、次男の経営能力や人望の無さを客観的に判断できていれば、ここまでの事態は回避できたと思われます。自分の子供に後継者たる資質がなければ他の方法を検討すべきです。

3)数年前に亡くなった創業者が、生前、後継者に自社株を承継させる手続きをとらなかったことから、後継者と相続人の間でトラブルに発展したC社

3年前に亡くなった創業者は一代で製造、小売など数社の事業を成功させた。創業社長の長男が社長のイスを引継いだが、生前において後継者への自社株の承継をほとんど進めてこなかった。相続が発生し、相続人の間で遺産の分割協議が行われたが、社長の弟が強行に法定相続分どおりの自社株の相続を求めたため、社長もやむを得ずこれに応じた。

創業社長の相続後3年がたったが、社長の弟がお金に困ったようで、最近、社長に対して自分が持っている自社株の買取りを求めてきた。最初は受け流していたが、ここにきてどこか見知らぬ人物に売却することをほのめかしている。この会社の株式には譲渡制限条項がついているものの、結局はグループ企業のいずれかで買い取るより仕方がないと思われる。最近ではグループ全体の業績も芳しくなく、会社にとっても大きな出費となりそうなだ。

ポイント

創業社長は会社の発展に多大な功績を残したわけですが、事業の承継という点からはあまり手を打てていなかったようです。社長の最後の大きな仕事として、親族の間で余計な揉め事が起こらないようにすることがあります。とくに自社株は通常の財産とは違った意味を持っていますから、誰にどう引き継がせるのかという点を含め、早めに承継の対策を考えるべきです。

事業承継におけるさまざまな選択肢

どんな社長もどこかの時点で誰かに事業を承継することを考えなくてはなりません。もちろん真っ先に頭に浮かぶのは親族ということになるでしょう。
しかし、事業承継は、その目的から判断して最適な選択をしていく必要があります。そうでなければ、社長がこれまで精魂込めて築きあげた事業をより良い形で残していくことが難しいからです。
図表は事業承継における社長が採るべき方向を表にまとめたものです。それでは、ここに示した事業承継のさまざまな選択肢について確認していきましょう。

図表 事業承継における選択肢

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1)親族内承継

親族内承継は、社長の親族に事業を引継がせるという選択肢です。
通常は、親族内の誰か1人、例えば長男ということになりますが、稀に子供2人にそれぞれ引継がせるという場合もあります。その場合には、会社を分けておいて長男にA社を、次男にB社を引継がせることになります。いずれの場合であっても、親族内承継は後継者に社長の地位と自社株をセットで承継するというのが基本的な内容です。なお、この場合のメリット、デメリットは次のとおりです。

メリット ①社長が後継者の資質を理解しやすいという面があります。
②社内外の関係者の理解を得やすいという面があります。
③早い段階で後継者を決定することが可能です。
④後継者教育のための準備に十分な時間をとることができます。
⑤経営権とセットで自社株を承継することになるため、所有と経営を一緒に引継がせることが可能です。
デメリット ①親族内承継に固執すると、経営者としての資質と意欲が不足している後継者に引継ぐ可能性があります。
②相続人が多い場合などは後継者への経営権の集中が難しいという面があります。

2)社内外候補者への承継

親族内に適当な後継者が見当たらない場合には、社内の役員・従業員や社外から招聘する候補者への承継も選択肢の一つです。
この場合の承継には大きく分けて二つのパターンがあります。

どちらを選択するかは社長及び社長一族の考え方によりますが、将来の後継者候補の有無や事業の将来見通しなどを勘案したうえで決定することになります。なお、この場合のメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット ①親族内に限らず、社内の役員・従業員や社外の取引先等から幅広い範囲で後継者候補を考えることができます。
②役員・従業員の場合、これまで長い間同じ釜の飯を食べてきたこともあり、経営の継続性を保ちやすいという面があります。
③外部から招聘する場合、より優秀な後継者に事業を引継げる可能性があります。
デメリット ①親族内承継以上に、後継者候補に強い意志が求められますので、なかなか適任者が見つからないおそれがあります。
②後継者候補に自社株も引継がせる場合、自社株取得の資金力について課題があります。
③個人債務保証を後継者候補に簡単に引継げません。

3)M&A

M&Aは、合併(Merger)と買収(Acquisition)の頭文字をとったもので、会社あるいは事業の売却のことを言います。
M&Aは、親族内にも社内外候補者にも適当な後継者が見当たらないようなときに、会社あるいは事業そのものを売却することで、経営者、従業員、取引先のすべてに良い選択となる場合もあり、十分に検討する価値のある手法です。実際に、M&A案件で売却希望会社の理由の多くが「後継者不在」によるものです。M&Aのメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット ①親族内や社内外に後継者候補がいなくても、外部の第三者によって事業を残すことができます。
②従業員の雇用や取引先の仕事を守ることが可能です。
③社長の老後の生活資金を獲得することができます。
デメリット ①売却条件(従業員の雇用継続や売却価格など)を満たす買い手を見つけるのが一苦労です。
②事業売却するため、経営の継続性は保証されません。

4)廃業

廃業というと後ろ向きの手段として捉えがちですが、親族内にも社内外候補者にも適当な後継者が見当たらない場合やM&Aでなかなか買い手がみつからない場合には、廃業も重要な選択肢になってきます。ただし、廃業は事業を始めるとき以上に手間と労力を必要とすることも多く、社長1人の決断で「今日から会社を閉めました」というわけにはいきません。今まで会社を支えてくれた事業関係者の方にできる限り迷惑をかけないように十分配慮することが大切です。廃業のメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット ①社長自身で引き際の判断を行なうことができます。
②引き際の判断基準を正しく行なうことができれば、従業員や取引先にとっても良い結果とすることが可能です。
デメリット ①従業員の雇用や取引先の仕事を維持できるかの保証はありません。
②社長の手許に十分な老後の生活資金が残らない場合もあります。
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