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社長の最良の相談相手

世の社長は、儲けて成長し続けることを心の底から願っておられます。好業績を上げることが、社長たるものの最重要の責任であると信じて疑っておられないのです。

1年後に素晴らしい業績を残そうとすれば、業績目標を立て、顧客と商品に注力することになります。これは会社の通常の営みであり、何が何でもやり抜くしかありません。こうして今年の業績の目途がつけば、来年の業績を考えることになります。会社の規模が大きくなるに従い、社員に頑張ってもらって好業績を上げようと、自社の組織編成に知恵を絞ることになります。

次に5年を超えて好業績を継続しようとするなら、その頃には経営環境が大きく変化しているでしょうから、ビジネスモデルをつくり直さなければならなくなります。しかし、実はこれは大変難しいことなのです。今までやってこなかったことに挑戦して、イノベーションを引き起こさなくてはならないからです。

また30年を超えて好業績を継続しようとするなら、社長が高齢化しているでしょうから、後継者を探し出して育て、経営を承継することを視界に入れておかなければなりません。ところが、これがまた更に一層難しいことなのです。後継者には、会社の理念を自分の夢にする力と、環境変化を乗り越えるしなやかな強さと、社員に対するリーダーシップが必要とされます。この素質のある人物を少しでも早くから選び出し、社長として育つ「場」を与えておく必要があるからです。

ところで、この承継では、社長の急速な若返りが実現するでしょうから、実はその会社にとって、絶好のイノベーションのチャンスなのです。後継者を取り巻くブレーンを育て、しっかりとした布陣を整え、承継のための経営組織を編成することになります。

しかし、適当な後継者に遭遇できなかったり、思うように育たないことがあります。仮にそうなったとしても、この承継問題を放置することはできません。現社長は、ステークホルダー全員を納得させる手を打たなければならなくなります。このとき、承継より幅の広い、社長の「出口」という考え方を検討することになります。この社長の「出口」には、3種類があります。後継者に対する「承継」以外にも、「キャッシュアウト」と「廃業」があるのです。

キャッシュアウトとは、創業者の人には言えないような苦労を、割り切って換金してしまうモノの考え方です。「事業売却」(M&A=merger and acquisition)、「MBO」(management buyout)、「上場」、「経営統合した後の上場」などがあります。自らが高齢化する前に、割り切って手を打たなければならないのです。また、廃業とは、倒産的廃業のことではなく、ステークホルダーには決して迷惑をかけないという意味で、前向きに取り組む廃業のことです。「清算バランスシート」を常日頃から作成しておき、潮時を見計らうことになります。これも大変苦しい判断なのです。

このように社長業とは、悩みの種が尽きない職業です。しかし、だからこそ社長の皆様は、「やり甲斐」があるとお考えなのではないでしょうか。私たちは、そうした社長を心から尊敬申し上げています。「社長の最良の相談相手」として社長に伴走しながら、問題解決に向け最大限お手伝いをすることが、私たちの無上の喜びなのです。