アタックスグループは「社長の最良の相談相手」です。

会計・税務・事業承継・人事等、経営戦略のプロとしてトータルなコンサルティングサービスをご提供します。


ホーム > 経営コラム > 目標面接の進め方 その2

経営コラム:経営に役立つ情報をお届けします

目標面接の進め方 その2(「最強の組織」をつくる人事制度 第27回)

中小企業診断士 鈴木茂和
執筆・取材・講演等の依頼
~納得性確保のキモ! フィードバックを適切に~

期首に設定した目標や取り組み課題について、期末にそれがどうであったかを上司と部下が共に反省するのがフィードバック面接です。今回はこのフィードバック面接の中に潜む、制度を形骸化させる要因について考えてみたいと思います。


評価制度は、点数をつけることがゴールではなく、実はそこからがスタートなのです。管理職はフィードバック面接こそが、部下育成の最大の機会と捉えることが必要です。ところが部下育成どころか部下のモチベーションダウンを招いているケースが多いのです。その原因は管理職がかかる「結果オーライ病」なのです。


期待する経営成果を明確にすることと、それを達成するためのプロセスをしっかり設計することの重要性については再三申し上げてきました。このふたつの事柄に対する考え方は、評価の段階でも活かされなければなりません。つまり成果はあくまで成果として、当初設定した達成水準と比べてどうであったかを評価し、プロセスはその実行度合いをきちんと評価しなければならないのです。


「結果オーライ病」にかかるとこの境界線が曖昧になります。つまり成果がよければプロセスもよい、成果が出なければプロセスもダメ、となりがちなのです。これもある意味で思考停止状態なのです。


プロセスは成果を上げるための「仮説」です。「仮説」は「実行」して、それが正しいかどうかを「検証」する必要があります。実行しなければ、検証不可能です。したがって、実行度合いを評価するのです。例え、成果が今一つであっても、しっかりと決めたことを実行していたのであれば、それはそれで評価しなければなりません。


つまり成果の評価とプロセスの評価は切り離して行うべきなのです。「結果オーライ病」はこの区別がつかなくなるのです。


成果とプロセスを分けて評価することで、次のようなケースも適切に評価できるようになります。「彼は、決められたことをちっともやらないけれど、数字だけは上げてくる。」「彼女は、やると約束したことはきちんと実行するけれど、残念ながら成果に結びつかない。」


前者に対しては、成果は評価するけれど、プロセスは評価できないということになり、後者は反対に、成果は評価できないが、プロセスは評価できる、ということになります。前者に対しては、正しい方法で成果を上げているかを確認し、もしそうでなければ改めさせる必要があります。


また、きちんとプロセスを実行すれば、より大きな成果が達成可能であるならば、プロセス実行の重要性を気づかせる必要があります。なぜプロセスを実行しないのか、その理由も聞かなければなりません。


後者に対しては、成果に結びつくようなプロセス設計を指導してやる必要があります。「仮説」の立て方が間違っていたり、努力の方向性がずれている可能性があるからです。「結果オーライ病」にかかった上司はこういったきめ細かな指導ができないのです。


この病気を予防するためには、プロセスの重要性について再認識させることが必要です。プロセスの評価ウェイトを高めに設定することもひとつの手でしょう。いずれにせよ、部下教育よりも上司教育を先に行う必要がありそうです。


<2003年12月5日~2004年7月9日 中部経済新聞社掲載>